岩永 哲

ことし4月、震度7の激しい揺れに見舞われた熊本。
この大地震を引き起こした「活断層」は広島県内にも数多く存在しています。

この活断層について気になるデータが公表されました。
きょう国の地震調査研究推進本部が発表した
広島県を含む中国地方にある活断層で
30年以内にマグニチュード6.8以上の地震が発生する確率
です。



この確率は評価対象である中国地方の24の活断層についての活動度のほか、
最近の地区内の地震活動などを考慮して決められます。

中国地方全体で確率は50%とされています。
また中国地方を3つの区域に分けた確率も公表され、
3つの区域で確率の値は大きくことなっています。


北部区域が最も高い40%となっているのは
活断層の数は少ないものの地震活動が活発なことを受けてのものです。

また西部区域は活断層の存在自体が多く活動度も高めのため
14~20%と高めの確率となっています。

一方、東部区域は2~3%と相対的には低い値となっていますが、
地震に対して油断できるという意味ではありません
南海トラフの海溝型地震のリスクは逆に東部区域は高いなど
地震に対するリスクは変わりません。


国はこれまでもマグニチュード7(=M7)以上の地震を起こすとされる
長さ20km以上の活断層を対象に地震の発生確率を発表していました。

ただここ数年は、M7未満のより規模の小さな地震でも被害が相次いで発生。
 ・2004年 新潟県中越地震(M6.8)
 ・2007年 能登半島地震(M6.9)、新潟県中越沖地震(M6.8)
 ・2014年 長野県北部を震源とする地震(M6.7)

このため国は、調査対象の活断層について
 ・より短い長さの活断層にも拡大(長さ15km未満の活断層でも簡易的評価も)
 ・陸域だけではなく沿岸海域に存在する活断層も評価
など確率評価の方法の見直しを進めていました。



ところで今回発表された確率の値をどう考えればいいのでしょうか。
その一つの指標となるのが3年前に九州を対象に発表された見直し結果です。
この中で熊本地震が起きた九州中部区域で
M6.8以上の地震が起こる確率は18~27%
とされていました。
この値は中国地方の西部地区と同程度、北部地区は上回っています


調査結果をまとめた地震調査委員会の平田直委員長(東大地震研究所教授)も
「中国地方の地震発生確率は決して低くない。
 ほぼ九州中部と同じくらいな可能性で
 地震が発生する可能性が高いと理解できる」

と指摘しています。


一方、個々の活断層についての評価も見直されました。

たとえば
「五日市断層帯」(五日市断層や己斐断層)と「岩国断層帯」は
これまでは別々の断層帯とされていましたが、
今回の見直しでは一つのグループとして捉えられています。
そうなると全長78kmの非常に長い活断層となり、
もし連動して動いた場合には最大でマグニチュード8程度
大地震を引き起こす可能性が指摘されています。


また、広島湾に点在する活断層(安芸灘断層群)は、
2つの活断層帯としてまとめられ
それぞれ発生する地震の規模や確率について発表されました。

広島周辺の活断層について5月にもこのブログでとりあげましたが、
中国地方の活断層による大地震のリスクは、
これまで考えられていた以上に高まっている状況にあるとされています。

こうした発表をきっかけに足下に潜むリスクを今一度見つめ直して
地震への備えをしていただければと思います。


< リンク先 >
・中国地方の活断層評価(政府・地震調査研究推進本部)
・中国地方の活断層で大地震が起こる確率を発表(RCCニュース6 来週7日まで視聴可能)



TOP