
9月27日~29日の3日間、東京ビッグサイトで国際福祉機器展が行なわれた。15カ国、527社、団体の最新の福祉機器2万点が展示されている。
ボクは、病気になって出歩けるようになった時から毎年出かけている。だから4回目。この4年で国際福祉機器展も様変わりしたように思う。
最初は、「人工知能搭載のロボットや人間の代わりになって働いてくれるパワーロボットなんかを使う世界ももうすぐ来るかもしれない、でもまだ実用的ではないな」そんな記事を書いていた。
しかし1年も経たないうちにボクは、実際にHALというロボットで歩行訓練を受けた。動かないはずの左足が、しかも自分が歩くという脳からのわずかばかりの信号を筋肉を通して拾い、そしてロボットは動く。人間の不思議な仕組みに感動し、麻痺していても(脳からの指令が旨くいっていないだけで)足はまだ歩く機能が残っているんだなあといたく感動したものだ。
繰り返し繰り返しHALのエネルギーとともに足を前に1歩1出すことによって、身体は以前の「歩く」ということを思い出していく。まだ、その頃は筑波に行かなければ訓練できなかった。保険も利かない。そんな時期ではあった。アニメや映画で見ていた未来のロボットのようなものを装着して歩いているのだ。

WHILL
こんなものも見つけた。WHILLという電動車椅子(写真)。いや、創始者たちはこれを障害を持った人だけの車椅子として作ったわけではなかった。健常者も障害を持った人も乗りたくなるようなもの。そう2014年の秋取材したときに話していた。
日産とSONYとオリンパスに勤めていた若者が、100メートル先のコンビニにいくのさえ困っている人がこれの乗って行ける!そんなものを作りたかったと熱く語っていた。ちょっと普通の人では手が出ない金額のWHILLは、50台最初に作ったのだがすぐに完売したと聞いた。
WHILLもHAL同様そのフォルムが未来的でものすごくかっこいい。少年のときアトムで育ってきたボクにとってはカタログをずっと枕元に置いておきたい、そんなものだった。ボクが思うよりずっと未来だと思っていたその時は近いと感じた。でももうちょっとはかかるだろう、そうたかをくくっていた。が、それらは加速度をつけて進歩を遂げた。あっという間に世の中に浸透して。今回の国際福祉機器展では、そんなロボットや機器が本当にたくさん出ていた。たった4年前には全体の2%も満たない出展率だっただろうが、いまや30%ぐらい?後発のそれらも負けてはいない。
WHILLを体験した時に、ボクもほしいけれど小回りもきかないしこんな小さな家ではもちろん無理だなあ、そう思っていたけれど、今回のブースでは小回りの聞く次世代のWHILLがお目見えしていた。ちょっと乗ってみたいと思ったがあまりの人気で断念した。もう、ロボットやWHILLみたいな車椅子に座ったままでお出かけなんていう時代はきっとすぐそこなのだ。みんなが思っているよりきっとすぐのことだと思う。
*次回も国際福祉機器展についてお送りする予定です。