皆さんはどんな夢をお持ちだろうか?
12月23日 チャレフェス音楽祭という催し物が渋谷のCLUB QUATTROで行なわれる。
それの練習風景を取材に行った。
障がい者福祉センターの一室で大勢の人たちが指導者らしき人に向かって座っている。
車椅子の人もいれば、視覚障害の方も、健常者の方もいる。付き添いのお母さんらしき方もいる。障がいをお持ちのかたの音楽劇と伺っていたがどうやら色々な方が一緒に劇を作り上げていくらしい。
ナレーションや演技指導、音楽指導、プロデューサーなど、健常な方はプロの方がほとんど。第一線で活躍されている。代表の一人たくちゃんは、テレビ番組のプロデュサーを20年以上もやってきた。自分で立ち上げた会社では現在「世界の果てまでイッテQ」なんかも製作している。そんな代表だからこそエンターテイメントがどれだけ人を感動させたり、みんなを一つにする力があるかわかっているという。そういう方たちが舞台に立つことを夢見る障害者たちをバックアップしている。
障がいと一口に言っても視覚障害の方、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、脳性まひの方、いろんなかたがいらっしゃる。様々なメンバーがチャレフェス演劇部と合唱部を作り上げている。きっと見に来てくださる方もいろいろな障害を持っているかもしれない。会場内でもいろいろな出会いがあるかもしれない。困っている人は遠慮なく「困った」と声や態度で示すこと。そしてできる人ができるだけ「おたがいさま」と手助けをする。そんな新しい試みのフェスティバルなのだ。
それにしても驚いたのは、本格的な演技の指導だった。
「ブレーメンの音楽隊」の朗読劇に出演している脳性まひの知恵ちゃんは、吉本工業所属の芸人さん。そんなプロのかたもいらっしゃるがほとんどの障がいをお持ちの素人さんとお見受けした。
「ここのオンドリは明日首を切られて死んでしまうことがわかっていて鳴く『コケッコッコ』です。そんな時のオンドリはどう?もう最後と力いっぱい鳴くのだと思わない?」ひとつひとつのせりふを議論していきます。どういう気持ちでどんな格好でこのせりふをいうか情景をデスカッションしながら読み合わせていきます。おざなりでない稽古風景がこのフェスの意気込みを物語っていると感じた。
様々な障がいをもっている演者が必死に喰らい付いていく。なんどもなんども繰り返して声を出す。
そんな演者を見ていてこのフェスで一歩も二歩も夢に向かって前進しているんだろうなあ、自分も負けていられないそう思った。