東京工業大学 栄誉教授 大隅良典氏(71)がノーベル医学・生理学賞を受賞した。

「オートファジー」。
オートファジーとは、生物の細胞が細胞内のたんぱく質を分解する仕組みの一つ。自らの栄養源などとして再利用するシステムのことだという。大変わかりづらい。

例えば、ボクは今回吐血して救急車で運ばれ入院した。
食道や、胃や腸の検査をするためにその日から絶食になった。
寝たきりのボクは内臓の働きも悪くクスリを投与しても検査すらできる状態になかなかならなかった。

そんなときもこの「オートファジー」がボクの体の中で働いている。
ボクの体内で蓄積されているたんぱく質をアミノ酸に分解してエネルギーに変えてくれている。
入院中は点滴でも補給しているだろうが、外から栄養が入ってこないならば自分の蓄えで何とかしようと言う仕組みだ。

山で遭難した人が水だけで1週間生き抜いたそんな話を聞くがまさにそれだ。そう聞くといままでにも僕たちはなんとなく「人間は蓄積されていたエネルギーがあるから多少は生きていける」そんなことを漠然と聞いたこともあったような気もする。新しい発見なの?そう思ってしまう。

その仕組みを見つけた人なのだ。「こういうことが起きているみたいだ」を「この遺伝子がこれを起こしている」そう証明した。実際発見したのは1988年。90年代初めまでに書いた一連の論文は、その後のオートファジー研究を切り開いた。そして今回のノーベル賞受賞につながったわけだ。オートファジーのすごいところをもっと言えば、このオートファジーを使って外から入ってきた細菌なども除去しているということだ。細胞の中で正しく機能しなくなったたんぱく質を、異常を起こす前に取り除いたりもする。

オートファジーのリサイクル機能が発見されたことによって癌や認知症なんていう病気の治療にも期待が持てるようになってくるという。でも、ボクの素人考えで考えても癌細胞もオートファジーを行なうとしたら、そちらの細胞も消えてなくなると言うことは無いんでは?そう考えていたらやっぱりそうらしい。

癌の細胞はオートファジーの作用が活発なために完全に消すことが難しいとされている。けれど、そうとわかればオートファジーを抑えることを考えていけば癌の治療も飛躍的に変わるだろう。特に手術が不可能な部位の癌などにはうってつけだ。人間が人間のことを医学的にわかっていることは全体の10パーセントぐらいなんではないか?と言われている。病名がつく病気も本当にわずかだとも聞いた。人間の脳についても5パーセントも解明されていないと言う。

僕の脳の数パーセントいや数十パーセントかもしれないがダメージを負ってしまい、麻痺が残り記憶も飛ぶ。言葉もうまくは操れないし食べることもままならない。けれど、壊れてしまった部分であろう脳の代わりにどこかの部分が突然目覚める(いやつながるのかな?)そんな瞬間を自分自身まのあたりにしている。「ここの脳がやられているので左が麻痺」などぼんやりと説明を受けていたがとっさのときにちょっとだけ動いたり…それはどうしてうごくのか解らないが、その感覚を訓練すれば動かないはずの足も動くようになるんではないかと思う。きっと動くのだろうな、と確信まで持っている。

まだまだ説明がつかないことなのだが直感でこうなんだろうなってことはわかる。まだまだ先の話。未来の話だけれど人間の仕組みがすべてわかれば寿命も病気も頭脳も運動能力もすべてコントロールできるようになるんだろう。しかし禁断のりんごを手に入れるようで、怖くもある。


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