この参院選で一番変わったことはやはり18歳からの選挙権だ。18歳19歳の方が新しい有権者として投票できることになる。その数、全国で240万人。有権者の2パーセントにあたるという。100人いれば2人。その人たちがどう新しい風を吹き込んでいくか。
我が家には21歳になる子どもがいるが1回選挙を経験している。行く前にかなりの時間ポスターとにらめっこしていたのは印象的な出来事だったが、もちろんどこの政党に投票したとか誰に投票したかは知らない。ボクも話したこともなかった。「さあ、選挙に行くよ」そういって当たり前のように家族で出かけたけれど娘にどれだけの知識があるのかはわからない。
各政党の見識の違いや立候補者の選挙公約をどのぐらい知っているか、ちょっと不安になってしまう。
この前その娘が就活をしていた。面接での質問を聞いていたら世界情勢や日本経済のゆくえなどを聞かれたという。「で?なんて答えたの?」思わず聞き返してしまったが娘もいっぱしの答えを返している。なめてはいけない。いや、娘だからそう思うのかもしれない。当たり前だが学んでもいるし意見だって持っている。
世間様の21歳が、18、19歳がどの程度の関心と知識を持って選挙に挑むのかはボクの心配することではない。けれど投票率は低い。
平成26年の衆議院選挙の投票率でみてみると、20代の投票率は約32パーセント。40代から70代が約49パーセント~68パーセントに較べるとずいぶん低い。
「よくわからないし、自分が行ったところで変わらない」選挙に行っていない若者に聞いてみるとそういう答えが返ってきた。
そうなのだ。選挙ってものが良くわからないのだ。僕たちだって選挙人として長年かけて修行を積んできたのだ。
義務教育でも高校でも選挙ってものを詳しくは教えていない。社会科の先生が、総合の授業の先生が、自分の意見を持って教えてはならない難しさもあるが、18歳からの投票を実践する前に擬似選挙なんていうのをやってみたらどうだろうか?
先日ニュースで、視覚障害者の高校で実際の投票所を模して「選挙ってどういう仕組み?」という授業を行なったというのを見たが、ぜひ他の中学校でも高校でも小学校もいい。行なってほしいと思う。そこから?と思うかもしれないがそこから。
あとひとつ、親も子どもが小学生ぐらいから選挙ってこうなんだなんてことを話していくことも大切だろう。若い世代の投票につなげるために子どもの遊び場を作った投票所を設けてみたらどうだろう。子どもがいるから選挙はちょっとと思っている若い世代にもそうだが、親が選挙に行っている姿を自然にみている子どもが大人になったら、やっぱり投票に行くようになるんじゃないかと思う。ネットで簡単に投票できるのもいいかもしれないが、そんな刷り込みも必要なんじゃないかと思う。家族の思い出の一部になるように。
若い人たちの投票率が上がれば、シルバー民主主義といわれている現代の政治ががいい形に色々な世代の意見も反映できるようになるのだと思う。自分の今のため、将来のためにぜひ18歳の君たちにも選挙に行って欲しいと思う。