ボクが車椅子生活になって「ああこういうのがあったらいいのになあ」と思うものの一つに外出先のバリアフリートイレがある。

何回も色々なところで書いてみたり講演会などでも話すことにしている。
どこかの誰かがみたり聞いたりしてくれているかもしれないと思うからだ。

ボクは、自力では体をほとんど動かすことができない。寝返りすらできない。かろうじて右足に力が入る。あと右手は子供並みの握力で少しは動かせる。可動域はあまりないけど。
だからもちろん自力ではトイレにも行けないし、第一尿を催す感覚もない。あまりバリアフリートイレも関係ないように思えるが、やはりトイレには何かしら御世話になる。

まず、本来ならばボクはベッドにあるトイレでなければ80%が足りない。オムツやパットを変えてもらうには、車椅子に座ったままではできないし、数秒誰かに捕まって立つことができたとしてもオムツは変えられない。
ベッドがあるバリアフリートイレはごくごくわずかだ。高速道路のサービスエリアには必ずあるが、商業施設のバリアフリートイレにはほとんどがない。新しい施設でもない。
困る人はアスリート系車椅子乗りでひょいとトイレに乗り移れない限りいっぱいいると思うけど。

例えば赤ちゃんのベッドが使えなくなる3歳児以上の障害者の子供だって困っているはずだ。
昔「どうしているの?」と聞いたら「車に折り畳みのベッドと用意してる、さもなければ車の後部座席に寝かせるか」といっていた。だから大人用ベッドはぜひ備え付けてもらいたい。

あとこんなのがあったらいいと思っていたものが今回香港で本当にあった。



「なんだあるんじゃないか。日本でもあるといいのに。もしかしたらどっかにある?」トイレの館内空き情報システム。特に多目的室トイレ(バリアフリートイレ)。
僕らみたいな車椅子を使っている人や赤ちゃんのおむつ替え、赤ちゃんをベビーカーに乗せて入る家族、などなど… 残念ながら普通の個室より時間がかかることが多い。
「どうしよう?上の階に行って空いてるかな?ここで待ってた方が早いかな?」そんなことを思って待っていることも多い。
できれば時間も「もうすぐ」とか「まだまだかかる」とか表示できたらいいのだけど。どの階のトイレがどのぐらい空いているかわかれば移動できる。そんな「あったらいいな」に出会った旅である。