久しぶりに書店に足を運んだ。
浅草キッドの水道橋博士が本を出されたと聞いたからだ。元気だった頃は書店なんて週に3回は通っていたし、家族のレクリエーション場所になっていたぐらいだった。
その頃の書店は、まだビニールがけなんてシステムはなかったので、どんな本か、装丁はどんなんだか、中の文字列がどんなだか触ってみることができた。

ちょっと前、孫の本を買いに行ったら見本もなく全部がビニールでがんじがらめになっていて本も息ができないんじゃないかって心配したし、どういう本かが確認できなきゃ買えないって思った。
どんな本かめくって見れないなんて購入の気持ちが半減する。本屋での購入がめっきり減って本屋が潰れる話をよく聞くが、実際本屋に行って買うメリットである実際みて買うができないなんて本末転倒もいいとこだ。
立見の心配するより本来の本屋のいいとこを見直すべきだと思う。せっかく本屋に足を運んで買うんだから。

さてさて、ボクの家の近くの本屋さんは文芸書などはビニール包みになっていない。よく触って中身を見て買いたい児童書などは1冊見本がみられるようになっている。本屋さんの買取になってしまうのだろうか?この本屋を気に入っている要素の一つである。

で、そのKABOSUとうい本屋さんに行って水道橋博士の「本業2024」という本を購入。
とにかく分厚い。3.8ミリもある。帯はビートたけしさんが書かれていて「よくこれだけのモン書いたなー!この本、重いよ!バカヤロー!!」だそうだ。累計700万部を売り上げたタレント本を評価した書評大全。タレント本とは「膨大で払いきれない有名税に対するタレント本人による青色申告書」であると水道橋博士。上手いこと言う。83冊もの本の書評。本の書評というよりか水道橋博士の全身を通してみたその作者の生き様が見える。水道橋博士と出会ったのは、SPA!という雑誌で水道橋博士が指名してくれて対談をしたのがきっかけだった。その頃ボクがSPA!で連載していた記事をよく読み込んでいてくれた。この人の読解力はただモンじゃない、その時そう思った。行間を読むっていうのはよく聞くけど、この人は紙の裏まで読んでくれてるんだなあと、そう思った記憶がある。

今回の「本業2024」でも知らなかったけど、ぼくの『一度死んでみましたが』(集英社)の書評も収められていた。読んで泣いた。何かわからないけど泣けてきた。喋れないボクの心理や、本に込めた魂みたいなもんが博士によってそこに文章となって生きている。言葉に出せない何かが文字でそこにあった。
本当に感心するほどの取材力と、人間の観察力だ。読んで惜しくない本だと思う。そしてそこに紹介されている本も博士によってもう一回生き返っている。

水道橋博士/著『本業2024』
痛快無比の怒涛のタレント本83冊、天下無敵の褒め殺し!

定価: 本体2400円+税
サイズ: 四六判並製
ページ数: 664ページ
http://seishisha.co.jp/catalog/373.html

神足裕司/著『一度、死んでみましたが』
定価: 1,200円+税
サイズ:四六判 ソフトカバー
ページ数:224ページ 


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