僕の住んでいる神奈川県の田園都市線沿線の市では4月20日に75歳以上の高齢者に接種券が発送となった。
86歳になる義父母のところにもすぐに届いた。予約はどうするか、我が家でも戦々恐々親族中の若者を動員してやるかなんて笑い話にもなっていた。
が、まず第一の誤報。
義父は訪問医療を使用して日常往診してもらっている。10年ぐらい前、自転車で転倒して大腿骨骨折、歩く事がちょっと不自由になりそれからボクたちは同居している。往診はボクのところにも来てもらっている先生にお願いして持病の薬や様々な相談にも乗ってもらっている。
父はそこに電話して「コロナウイルスのワクチンの接種券がきたんだけど往診でやってもらえるんだよね?同居の妻もお願いできる?」そう聞いたそうだ。
「大丈夫です。始まったらやります」そう言われた。だから二人はだから大丈夫だ」と嬉しそうにいう。市で行っている区役所の繋がらない電話に連絡することなく予約ができたと思っていた。ボクらも拍子抜けだ。
しかし、それからしばらくして何も動きがないのを心配して妻が電話で聞いたらまず、往診対象者でない義母はできないとの事。しかも義父も予約っていう予約ではなく誰が電話を受けたかも定かじゃないという杜撰な話。「そんなことある??」妻はちょっと怒って「ではこの電話で予約できたってことでいいのですか?」と聞くと「いずれ接種はやりますので。早くやりたいなら役所ので予約してください」よくわからない返事。
義父の件で不安が増したのは、往診対象者でない義母がかかりつけ医(通院)の小野田医院ですんなり予約できたことにもよる。
今何番目で待っていて何番まで接種が終わっている、接種の日にちが決まったら必ず電話すると不安のないようにわかりやすく説明してくれていたことだ。「電話がいつもいるところ、遠いから出られないかも」みたいな高齢の母の会話にも付き合ってくれ「大丈夫ですよ、電話何回でもしますから」かかりつけ医でやりたい高齢者の気持ちもわかる。自分の体のこともよくわかってくれているかかりつけ医でやれれば一番いい。
しかも、ここはかなりかなり高齢者に寄り添ってくれている。1回目もすんなり終わり2回目も「3週間後近辺に日時が決まったら事前に電話しますね。」って言われた。といって帰ってきた。あまりに簡単で老人にも優しい。
往診の先生のところではぼくもそこで接種するんだろうなと思っていたから、どうなっちゃうんだろうか?と不安でならない。わからないってことはこんなに不安なのかって言うほど。世の中は、65歳以上の接種も始まり自衛隊の集団接種会場に行けばすぐ打てるという。さらに64歳以下の接種券も送付が始まりボクもところにもすぐに届いた。失礼ながら「遅いんだろうなあ」そう思っていたのだがびっくりするぐらいの速さだ。届いたのでもう一回往診の病院に電話してみた。「まだどう予約するのかもわからない、待っていてくださいって。急ぐなら違うとこでしてくださいって」とのこと。接種券が来たばかりのボクはともかくずっと待っている86歳の父はどうしたもんか…
「神足さん、それはどううまくいってないか取材したほうがいいんじゃないですか?」そう言われる始末だ。
接種券の届いた次の日銀行に行くため車に乗っていたら、神奈川ひまわりクリニックの前に行列ができている。駐車場に小規模接種会場というプレハブがいつの間にか立っている。「何か聞いてきて」そう妻に伝えると「ワクチン並べば予約なしでできるんだって、今日は整理券の配布もなしで並んでればいいんだって」「じゃ、やる?」そんな感じで急に決まってしまった。家まで接種券を取りに帰ると列はかなり長くなっっていたげど五十人は並んでないか…そんな感じ。義父も誘ってみたが「往診の先生と約束したからもうこうなったら待ってるよ」とのこと。晴天の中行列に並ぶ。接種会場がオープンする時間になると院長先生がやってきて「集団免疫をつけるためにはワクチンの接種が大切です。うちの病院に普段かかっていない方でも同じ市にお住まいで接種券をお持ちの方ならどなたでも大丈夫です。予約なしで毎日摂取できるようにしました。今日は、問診票のチェックを近くの医学生に手伝ってもらいます。中での再度のチェックは看護師、注射は我が医院の医師がやります。まだ少しお待たせいたしますが今いらっしゃる方は全員できます、色々不手際もありますがご理解ください」そうお話があった。説明があるってことはこんなに安心なことなんだなあと。
夏のように暑い日だった。全部で六列ほどの列ができていたが建物で日陰になっているのは先頭から二列ほど。立って待っている。ボクは最後の二列目ぐらいに車椅子で並んでいた。1時間ほど立った頃、会場整理をしていた男性が「どうぞ、日陰へ」といって案内してくれる。「いいえ、大丈夫ですよ」妻はそういった。高齢な方も立って並んでるし…すると周りの方が「日陰行ったほうがいいわよ」「そうよ」と口々にいってくれる。会場整理の男性も「気づかなくてすみません、実は並んでる方から日陰へ行かせてあげなよって言われちゃいまして」とそう言う。なんてありがたいことなんだ。
日陰に移ってまたしばらくすると院長先生がまたやってきて「暑い中お持たせしています。改善点もわかりました。あと30分ぐらいです。」と。日陰にいたボクを見つけて「ちょっときて」と通常のクリニックの待合室に通される。暑いから待合室でまたせてくれるのか?と思っていた。「ちょと待っててね」そう言って戻ってくると「皆さんに説明に行ってきた。車椅子の方先に打っていいですか?って聞いたら皆さんOKだって、ありがたいねえ」と!!ありがたいのはこっちだ。
「奥さんはまた並んでもらわないとだけど、いいよね、旦那さん家に送ってくればちょうどみんなうち終わってる頃だから」
なんていい日なんだろうか。急にワクチン接種できることになって皆さんの優しさにも触れられた。今まで4月末からワクチン接種でうまく行ってなかったのが嘘のようだ。接種券が届いた次の日にこんなに簡単にできていいものだろうか??
それから1週間。今日になって往診の病院から電話があり接種できるとのこと。お世話になっている往診の病院の名誉のために言っておくが、往診など訪問接種は解凍や運搬にいろいろ問題があってものすごく大変なことらしい。それも今日のワイドショーで初めて知った。どの自治体でも最初にやるべき高齢者で病院にも出向けないような方に時間がかかっているというそう言ってくれればよかったのに。
コロナは最初から今まで「よくわからない」それが1番の大騒ぎの元となっている。些細なことでも説明してくれる人がいるのはとても安心できることなのだ。
追伸
今日病院の前を通ったら日除けテントがズラッとならんでました。
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