
今月5日、日々の天気予報に関係する
大きな出来事がありました。
それが気象庁の天気予報に使う
スーパーコンピューターのバージョンアップです。
日々の予報は観測データなどをもとに
スーパーコンピューターで計算する
数値予報がベースとなっていますが、
今回の新スパコンの導入で
計算処理能力が大幅に向上されました。

今後、いろいろな予報の精度が
改善されていく予定です。
たとえば台風予報では、
これまで3日先までしか予想できなかった
台風の中心気圧や最大風速が、
今年度中に5日先まで可能となります。
また、気温に関しては来年6月ころをめどに
約70地点については2週間先までの気温予想を
毎日発表するようになります。
※気象庁報道発表
「新しいスーパーコンピューターの
運用を開始します」



すでに改善されているものもあります。
それがおとといリニューアルされた
詳しい雨の降り方予想です。
これまでは「降水短時間予報」という名称で
6時間先までの降水分布予想が
発表されていましたが、
今回、「今後の雨」へと変更に。
予想スパンが倍以上の15時間先まで延びています。
これだと夕方の時点で、翌朝に大雨になりそうな
エリア把握につながると期待されています。
実際にパソコンやスマホなどでみると
ほかの高解像度のレーダー画面や
警報発表の基準となる危険度分布の画面と
デザインや操作性が共通化され
とても使いやすくなりました。
これからの梅雨末期の大雨や
台風接近などの際に威力を発揮しそうです。
※気象庁報道発表
「雨量分布の予報を15時間先まで延長します
~夕方の時点で翌朝の雨量分布が把握可能に~」


ただし注意しなければならないことがあります。
これはあくまで「予想」である点です。
今回の「今後の雨」へのリニューアルでは、
詳しい雨の予想が15時間先まで
長くなった点が強調されていますが、
当然、先の予想は誤差が大きくなります。
また数時間先の予想でも実際の降水状況と比べると
雨の強さや範囲に大きな違いが出ることもあります。
こうした視覚的にわかりやすい予想は
一方で、その通りに変化すると思いこませる
危険性もはらんでいます。
あくまで天気変化のイメージをつかむ
材料の一つとしてとらえて、
随時、更新される最新予想やほかの気象情報も
あわせて確認することが重要です。
さらに実際の状況も組み合わせて
幅をもって判断していただけたらと思います。