POST:岩永 哲


きょうは一日を通してよく晴れた広島県内。
広島市内は雲一つない快晴でした。
気象衛星(ひまわり8号)の画像をみると
広島だけではなく日本列島は広く雲のないエリアで
全国的にホントによく晴れた一日でした。
そんな中で、きょう注目するのは気象レーダーです。




ひまわりの衛星画像では
雨を降らすような雲は見当たらなかった一方、
気象レーダーでは山陰沖や紀伊半島付近に
なにやら水色の部分が広がっています。
ここでは雲がないのに雨が降っているのでしょうか?




気象レーダーは発射した電波が
空気中を落下する雨や雪の粒によって
はねかえって戻ってくる反射波(エコー)を受信し
降水(雨や雪)の強さや動きを観測しています。
学生時代の物理の授業で「ドップラー効果」
という言葉を聞いたことがあると思いますが
その性質を利用しています。
(救急車が近づく時と遠ざかる時で
 サイレンの音の高さが変わるのを
 説明する時によくでてきます)

リンク:気象レーダー観測の概要(気象庁HP)




ところが気象レーダーの電波が
雨粒以外のモノに反射してしまうケースがあります。

大気中に気温や湿度が違う層があった場合、
発射した電波がその層によって屈折して曲げられ
普通とは違う方向に進みます(異常伝搬)。
そして、雨や雪以外のモノに反射してしまい
レーダーに映ってしまいます。
こうしたモノは「非降水エコー」と呼ばれていますが
ではなにが映っているのでしょうか?





非降水エコーには、
海面の波しぶきや山の濡れた樹木、
風力発電の風車といった
地上の動く構造物などがあります。
また、昆虫の大群や渡り鳥の群れに
反射する場合もあるほか、
米軍の戦闘機などが訓練中に、
軍事レーダーによる探知を妨害するため
空中に撒く金属(チャフ)に
気象レーダーが反応して
表示されたりすることもあります。

リンク:雨が降っていないのに。このエコーは何?

きょう気象レーダーに映っていたのも
こうした非降水エコーとみられ実際に
雨が降っていたわけではありません。
実は山陰沖はこうした非降水エコーが
わりと表示されやすいエリアです。



先月30日には雨雲のない山陰沖で、
気象庁HPのレーダー画像に
「猛烈な雨」の雨域が表示され、
全国ニュースで大きく報道されるという
一幕もありました。
これも波しぶきなどの非降水エコーが
原因とみられています。

鉄塔などのようにずっとそこで動かずにあるモノは
レーダーに映らないように
補正することはできますが、
波しぶきや風車やゴンドラ、
鳥といった動くモノについては
レーダーの性質上、
完全に取り除くことはできません。

これから本格的な雨のシーズンを迎えて
非常に便りになる気象レーダーですが、
晴れた日にもちょっと気にしてみては
いかがでしょうか?

リンク:レーダー・ナウキャスト(気象庁)
リンク:高解像度降水ナウキャスト(気象庁)