4月というのは日本にとって節目の月だ。3月に別れや終了するものを経て新しい気持ちで挑む。
今年の場合、4月1日に新しい元号も発表された。「令和」何回か唱えているとなるほどと思えてくる。

ボクはといえば、入退院を繰り返し3月終わりにようやく落ち着いてきた。なんとなく春の訪れとともにNEW神足としてまた生まれ変わったような気持ちだ。
ちょっと変な考えかもしれないが、病気の重さに関係なく、退院してくると人間がちょっと新しくなったような気がする。さて、次はどうするかな?そんな感じだ。久しぶりに外に出た子どものように周りを見渡しきょろきょろしてみる。

ある会合で「神足さん今一番興味があることってなんですか?」そう聞かれた。妻はしゃべれないボクをみて「ん~~車椅子かなあ・・・常に車椅子のここがどうとか、ああだったらいいのに・・・みたいなことはずっと言ってます。自分で作りたいって。」そんなことを話していた。そういえばそうだ。ボクは常に車椅子のことを考えている。お風呂用とかではなくて濡れていい車椅子っていうのはないか、遊び専門の車椅子はないか・・・とか、もうちょっとここが狭いほうがいいとか大きいほうがいいとか。自分の身体の一部なんだから気になるのは当たり前だ。自分の足ほどよくできた相棒を探したい。

でもいま本当に一番したいことは海外旅行に行くこと。昔はよく旅をした。仕事だったり家族とだったり。が、こんな身体になってからはあきらめていた。車椅子で世界一周している方だっているわけだし行けないわけがない。僕の場合は自分ひとりでは移動できないというかなりのハンデがある。誰かと一緒でないと無理だ。それとハンディキャップ専門の旅行会社などを使わずに普通のときのような普通の旅がしたいというテーマがある。贅沢な夢なのだ。

「車椅子だから○○」っていうのはちょっとおかしいと思っている。「車椅子だからできない」「車椅子だから遠慮する」「車椅子だからお先にどうぞ」「車椅子だから優先」・・・そうではなくって普通がいい。とはいえ車椅子は大きくて邪魔になるし決して皆さんと同じにできないこともわかっている。ご協力いただかなくてはその「普通」はできない。普通ということがどんなにすばらしいことか今だからわかる。その普通がどのぐらい旅という非日常でできるかを実践したいと考えている。自分があきらめていることをもう一回挑戦する年にしたい。

このコラムのコーナーも新しい場所に引っ越して心機一転。なにかがはじまりそうでワクワクしている。


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