病気に入院したり、仕事をしたり、その合間に遊びに行ったり、けっこう多忙な毎日を過ごしている。しかし、リハビリを怠るとすぐに身体に現れる。昔、水泳の選手をしていたときの先輩の言葉を思い出す。「1日訓練を怠れば戻すのには2日かかる。倍の時間かかるから。身体は正直だ。筋肉はあっという間に減少する。」まさしくそのとおり。


リハビリもサボればあっという間に状態は悪くなり、戻すのは大変なことだ。


しかも最近は身体の状態も横ばいで、真面目にリハビリしていてもなかなかそれ以上の成果が得られない。段々年齢も増してくるわけだし、倍の倍頑張らなくてはいけないのか??


もう限界なのかもしれないなあ、と自分らしくなく弱音を吐く。


そこにケアマネさんや、マッサージの先生からとてつもなくうれしい情報が届いた。
家の近所に水中運動特化型のプール施設ができたというのだ。もう数年前からずっと探していた。

障がい者センターの大きなプールに行ってみたり、病院のリハビリ用に作ったプールに行ってみたりしたが自分が入るのには適さなかった。障がい者プールは、障がい者アスリートのような方がすいすいと泳いでいた。プールサイドで車椅子から腕だけでポンと降りてプールにするっと入っていく。車椅子用のスロープもなかったからボクと家族同伴みたいな素人はかなりてこずった。


「来週も来ようね」とはおいそれと言えない環境だった。障がい者といったって色々な方がいるわけだから、それにすべてあてはめて設計されているわけではなかった。


健常なころよく行っていたハワイのホテルのプールには椅子のリフトがついていてなんのことなく車椅子の青年が入っていたよなあ、と思い出す。あれはまだ日本では見たことがない。あの形のリフトすら見たことはない。やっぱり日本は遅れているんだなあ・・・とこんな身体になってみてよく思う。


自由に遊びに行くようなプールではないものの、近くに「ウエルカム」といってくれるプールがあるというのだ。デイサービスのような形をとっているので介護保険も使える。送り迎えもしてくれる。もちろん着替えもさせてくれる。最初に筋肉を溜めるための「貯筋運動」というのをする。そのあとプールに入る。10人ぐらいのグループでざっとみて平均年齢75歳ぐらいかなあ?大きいプールの方で歩いたりひれをつけたりして結構楽しそうに泳いでいる。コーチもかなりの数ついている。


ボクは可動式の床の小さいプールに。最初プールサイドと同じ高さだったプールの底に車椅子ごと入ると、その床はどんどん水の中に浸かっていく。中央のポールにつかまれば、車椅子をすっと抜いてくれる。プカプカ水の中だ。最初に言われたのは「神足さん泳ぎたいかもしれないけれど最初は仰向けになって浮かびましょう。いつもがちがちになっている体の力を抜いて麻痺をしている側も動かして見ましょう。」そう言われた。しばらく浮いていると昔の水の中を思い出した。それは訓練の合間の数秒ぷかっと浮いたあの幸せなとき。水の中に身体を預けるのは本当に体が開放されて力が抜ける。その気持ちのよさがまさに体をめぐった。


しばらく新しい形でリハビリをやってみようと思う。横ばいだった曲線もちょっとは右上がりになるかもしれない。



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