今日の東京は朝から雨である。テレビで天気予報図をみる。九州から北海道までみごとに傘マークがついている。しばらく雨は続くかもしれない。先週関東も梅雨に入った。今年は降水量も少なく恵みの雨となっている。

しかしだ、今日は夕方から日本橋で打ち合わせがあるのだ。病気になってから外に行く仕事は10分の1以下に減った。最近ようやくそういう仕事も戻ってきたといっていいだろう。だから外に出るということは今のボクにとっては貴重なおかつ気合の入ることでもある。

もちろん車椅子で出かけるわけだから今日みたいな雨はかなりのネックとなる。
大雨だと決死の覚悟でなければ出られない。大げさではない。我が家は玄関から門まで13段の階段がある。偶然にも幅は広い。若いうちに建てた家は残念ながら年をとってからとか身体を悪くなったらということを想定して建てていない。偶然にも幅が広かった階段は、車椅子を吊るして昇降できるリフトが取り付けられたのだ。取り付ける前は人力3人がかりで降ろしてもらっていた。

しかし、そのありがたいリフトも雨の日は使えない。小雨でも機械が動かなくなる。もともと室外用にできていないのかもしれない。いや、車椅子の人が雨で外出することを想定していないのかもしれない。大雨だったら外出をキャンセルするのが普通だ。

例えば、週1回のリハビリに出かける日が雨だったら中止だ。遊びに行く予定も中止。誕生日の外での食事も中止になる。ボクの用事ならまだいい。家族が楽しみにしている予定もその日になってキャンセルとなる。申し訳ないことだ。だから、家族は天気予報を週間で気にしている。こんな梅雨の時期は家に閉じこもりがちになる。

もし今日の夕方雨が続いていたら、打ち合わせのためにボクは合羽をきて背負われるか、車椅子ごと3人がかりで降ろしてもらって車に乗り込む。雨で足元は滑るし本当の意味で決死の覚悟だ。

「すみません。雨なんで今日の打ち合わせ中止にしてください」そんなことが普通仕事でまかり通るわけもない。こんな身体のボクとわかってくれているがボク自身がそれを許せないでいる。許せないが自分だけでは出かけられないので手伝ってくれるものがお手上げ状態になれば、しかたがない、諦めるしかない。そんなジレンマのなか仕事をしている。「ああ、身体が悪いから仕方ないね」と言われないようにしたいと思う。けれど実際は出来ない事が多い。梅雨明けが早く来ないかと願っている。


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